今回はプラボディのボディメイクを紹介致します。
レース及びタイムアタック仕様の実践的なボディと言えばポリカボディが王道ですが、プラボディは塗装やボディ形状の変更など、見た目を彩る方法が盛りだくさんです。
コレを楽しまないテはありません。
- 「ボディメイクはキットの説明書どおりにしかやったことがない・・・っていうかシールしか貼ったコトがない・・・」
- 「塗装とかはそれなりに出来るケド、オリジナルデザインのアイデアが浮かばない・・・」
- 「オリジナリティ? 何ソレ美味シイノ?」
この記事がそんなアナタに少しでも参考になれば幸いです。
ポリカボディの塗装ばかり行っていたので、久々のプラボディメイクに心躍ります。
最後までお読み頂ければ、アナタの創作意欲がワクワクのムクムクになること請け合いです。
※本記事でのオリジナリティ(オリジナルデザイン)とは、実車として存在しない架空のデザインを意図しております。(勿論キットとして発売もされていないモノです)
予めご了承ください。
下処理
今回使用するのがコチラ。
「HONDA e」です。
自分は実車系ボディが好みなのですが、その中に在ってこのシンプル且つ愛らしいデザインは特に創造力を掻き立てられます。
ボディ型状はさながら、「好きに彩ってくれ」と言わんばかりの大きなキャンバスに見えたのは自分ダケでしょうか?。
欲しかったオモチャを買ってもらった子供の様に、さっそくオープン。
先ずはボディのバリを落としていきます。
子供の時分はこんな処理に目もくれず、いきなり色を塗ったりシールを貼ったりしていました。
「オトナの階段を登った・・・」と感慨深いキモチです。
バリの他、ボディに歪みなどがあればこの時点で整えておきます。
スジ彫り
後に行うスミ入れの為、今の内に施しておきます。
好みなので省略しても問題無いですが、「自分好み」にするためにやっておきます。
今回使うのは下記3点。
けがき針
三角刃
タガネ(チゼル)
順番に各20回程度、なぞるようなイメージで掘っていきます。
力加減ややり方は人それぞれなので、結局の最善方法は十人十色です。
紹介した工具も、あくまで一例程度に捉えてください。
ですが、力を入れ過ぎてしまうと失敗の元となるのは確かなので、出来る限りソフトタッチの施工をオススメします。
洗浄
ボディに付着している油分や汚れを洗浄していきます。
この作業は必須です。
コレを行わないとこの先の塗装作業で、最悪塗料が食い付いてくれません。
サーフェイサー
キズの無い綺麗な下処理が出来た場合や、下地の色によっては必ずしもサーフェイサーを吹く必要はありません。
しかし、 今回は白地のボディに塗装して発色を良くしたい為、吹いていきます。
エアブラシで吹こうと思いましたが、手元の在庫にホワイトサーフェイサーの缶スプレーが余っていたので、今回はコレを使用。
塗装(ボディ色)
既製品でイメージに合った色が有れば良いのですが、探しきれなかったので調合します。
使うのはクレオスカラーの2色。
画像
調合割合は、
「レドーム 1+グランプリホワイト 1:薄め液=1:1.5」位にしています。
「塗料:薄め液=1:1.5弱」でも良いカモしれません。
吹き方にも依りますが、薄め液の割合が多い程、乾燥時間を要します。
色々と試してみるコトをオススメします。
塗装(窓ガラス)
目指すイメージは、スケールモデル等に付属されている透明な窓に、スモークを吹いた感じです。
先ずは前項の塗装後、窓ガラス以外をマスキングします。
ちなみに、緑色に見える箇所はマスキングゾルでマスキングしています。
その後、
- シルバー塗装
- スモーク塗装
- (主に)窓の縁を残してマスキング
- ブラック塗装
以上の順に塗装。
詳しく見ていきましょう。
1、シルバー塗装
白とシルバー、どちらを使うか迷ったのですがシルバーで下地処理を行いました。
この塗装で、この後に吹くスモークを好みの色合いに見せることが可能かと考えた結果です。
たまたま使いかけのシルバーの缶スプレーが余っていたダケ・・・というのはナイショ。
今にして思えば、もっと明るめのシルバーでも良かったカモ・・・ 。
2、スモーク塗装
スモーク単色だと濃過ぎるキライがあったので、クリヤーと混ぜ、 薄め液で希釈後にエアブラシで塗装。
ちなみに、吹けば吹くほど色が濃くなります。
調子に乗って吹き過ぎると、せっかくのスモークが只の黒にしか見えなくなるので要注意です。
3、(主に)窓の縁を残してマスキング
スモークのみだと見え方が単調になるので、黒縁を施します。
ココでの失敗談を一つ・・・。
「完全乾燥」してからマスキングしましょう!
タイミングを見誤ってマスキングし、後述するマスキングを剥がしたときに塗装面(スモーク)の艶が無くなってしまいました・・・。
※後述するクリアーコート&研ぎ出しで艶が復活するコトを願って・・・。
少々細かい作業となりますが、頑張りましょう。
4、ブラック塗装
特別なコトは何も無く、黒で吹くダケです。
コレでトップコートを除く塗装は、ほぼお終い。
このタイミングでスミ入れを行うつもりでしたが、すっかり忘れておりました・・・。
スライドデカールの作成、貼り付け
今回の一番楽しみな箇所であり、一番の見せ場であり、一番の難所です。
毎晩のオトナの嗜みが欠かせない自分にとって、オリジナルデザインと言われて真っ先に思い浮かべるネタはお酒のラベルです。
今回はコチラの酒瓶をモチーフに創り上げていきます。
飲酒を勧めるつもりは全くありませんが、個人的にとても好みな味です。
御興味があれば是非一度、ペロリと舐めてみてください。
(未成年の方はオトナになるのを地団駄を踏んで待っていてください)
使用するのはレーザープリンター用のクリアデカールとホワイトデカール。
デカールの作り方は、以前に紹介したコチラの方法です。
出来上がり。
コレを適当な大きさに切り出し、必要箇所に貼っていきます。
貼り方は一般的なスライドデカールと同じですが、既製品に比べるとどうしても強度が弱い感じが否めません。
丁寧且つ優しく貼るコトを心掛けます。
それと、デカールを貼る際には別売りのデカール糊を使用しています。
( 曲面に良く馴染む様、軟化剤入りのモノです )
勿論、デカールの台紙に予め糊が付いているので貼れないコトはないのですが、コレがあった方が良いです。
(個人的にはマストアイテム)
ルーフ箇所の大きめな赤いデカールや、フロントマスク・リアマスクのカーボン調デカールは、大きめに切り出してから貼り付けた後、不要箇所をデザインナイフでカットしています。
なお、カーボン調デカールは既製品を使用しています。
(コチラのタミヤ製品、とても貼り易く、薄く、強度も強いのでオススメです!)
予めピッタリな大きさに切り出してから貼り付けるに越したことはなのですが、現状ソコまでの技量は持ち合わせておりません・・・。
あしからず・・・。
トップコート
前項後、クリアーでコーティングします。
コチラを使用。
「クリアー:薄め液=1:1」でスプレー。
画像でも伝わるカモしれませんが、かなり厚くクリアーを吹いています。
理由は自作デカールを貼ったから。
(加えて小心者のオマケ付き)
自分の作成したデカールは既製品(完成品デカール)に比べると厚みがあり、加えてクリアーコートしている(貼る際に印刷が剥がれるのを防ぐため)ので、どうしても厚くなってしまいます。
この厚み(段差)を後述する研ぎ出しで無くす為の厚塗りとなります。
細かなモールドやエッジも潰されてしまうので、出来ればココまでの厚塗りは行いたくないのですケドね・・・。
まぁ、完全乾燥して「ヒケ」てくれば、それらもある程度回復してくれると信じて・・・。
それでも回復しないモールドは、エッジを効かす研ぎ出しを心掛けようと目論んでおります。
乾燥
いよいよ研ぎ出し・・・と、いきたいトコロですが、はやる気持ちを抑えて先ずはしっかりと乾燥させます。
ココで言う「乾燥」とは、手で触って塗料が付かないレベルの乾燥ではなく、「完全乾燥」のコト。
完全乾燥を待たないと、研ぎ出しは上手くいきません。
ちなみに、以下の状態なら完全乾燥が出来ていない証拠。
- 塗装面に鼻を近付け、塗料の匂いが僅かにでも残っている
- 塗料の匂いが消えても、爪で塗装面を押したときに爪痕が残る
完全乾燥までの個人的な目安は概ね一カ月。
※最低でも2~3週間。
この期間については、塗装方法や気温、湿度など、様々な要因で変わってくる為、明確な基準は有りません。
(中には一年位待つ人もいるとか・・・。更に極論を言えば「完全乾燥」は存在しないという意見も・・・)
また、乾燥を早める為にドライヤーを使ったり、食器乾燥機に入れたり、自分も色々試しました。
食器乾燥機は乾燥時間短縮に一役買ってくれたのは事実ですが、電気代が掛かります・・・。
数日間フル稼働したときの電気代は全米も震撼するレベルでした・・・。
1~2日で完全乾燥が可能なら使いますが、1週間単位で使う度胸は無い・・・。
更に言うと、大判のスライドデカールを貼った場合、急激な乾燥によって最悪デカールが割れてしまう可能性も無きにしもあらず・・・。
色々と模索した結果、天気の良い日に外で陰干しする方法に落ち着きました。
(天日干しだと塗装やデカールが色褪せる)
「室外で乾燥させる時点で多少は色褪せるでしょ・・・」といった御意見も承知しており、コレが完璧な方法ではないカモしれません・・・。
また、冬場でエアコンを使う場合は温かい風が当たる場所に置いておいたりしています。
何れの場合も、手で触れるレベルの乾燥を待ってから行っています。
ココまで書いておいて言うコトではありませんが、少しでも綺麗な仕上がりを目指す・・・且つ、ご自身の時間や気持ちが許すのであれば自然乾燥が一番です。
研ぎ出し
この作業の目的は塗装面を平ら(均一)にするコトです。
先ず使うのは紙ヤスリ。
今回は#2000の紙ヤスリを使用。
#1500位が効率よく削れますが、削りすぎてしまうのが怖いので#2000を使用しています。
コレ以降の手順は通常の研ぎ出しと変わりません。
もし分からなければ、下記をご参照ください。
スミ入れ
当初の予定ではボディの塗装(クリアーコートではなく)後に行う予定でしたが、うっかり忘れてしまった為、ここで行います。
使うのはこちら。
以前はタミヤのエナメル塗料を薄めて使ってもおりましたが、人とは横着なモノで、最近はこのような便利グッズに頼っています。
自分の場合、乾燥に半日~1日待ってから、はみ出した部分を溶剤に浸した綿棒で落としていきます。
ジッポーライターのオイルでも代用が可能と耳にしたコトがありますが、自分で試したコトはありません・・・。
責任は負えませんが、御興味があれば代用品として試してみてください。
ワックス
コレは好みですが、フクピカが余っていたのでワックスを掛けておきます。
この後は研ぎ出しに使用した柔らかい布で磨いて終了です。
完成
お披露目です。
画像での「パッと見」は綺麗に見えるカモしれませんが、所々結構な失敗があります。
一言で言えば、
●塗装の乾燥時間が足りない状態で、次の工程に進んでしまったコト
●研ぎ出しの際、力を入れすぎて削ってしまい、プラの地肌が出てしまったコト
が主な原因。
細心の注意を払っていれば、全て防げた事故です。
過去に何度も同じ失敗を繰り返しても、この悪癖は未だ治らず・・・。
情けないの一言です・・・。
同じ失敗はもう繰り返さない・・・、何度心に誓ったか・・・。
と、嘆いてばかりでも仕方がない。
ポジティブに考えれば、コレはミニ四駆。
気兼ねなくコースを走行させられると考えれば、ソコまで悲観することもないカモしれません。
まとめ
以上、長くなりましたが、HONDA e の製作となります。
作り方は動画も併せてご覧頂くと、より分かり易いかもしれません。
レースというとポリカボディが重宝される昨今ですが、プラボディも楽しさといった観点ではとても楽しめるマシンです。
御興味があれば、是非作ってみてください。
またまた。